寝台列車の旅が始まった。
私達が選んだのは硬臥(ハードベッド)という比較的安い席だったけど、十分すぎるほど快適な寝床だった。
近くにアツアツのお湯が出る給湯器があって、自由にお茶が飲めるし、カップラーメンも食べられる。朝昼晩のご飯時には、弁当売りも回ってくる(15
元)。食堂車でその都度作っているようだ。できたてホッカホカのご飯がうれしい。
その上、食後にはフルーツ売り、合間合間にはスナック売りが来る。夜食にはお粥まで!何にも持ち込めなくても、飢えることはなさそうだ。
しかし中国人は食べる!
持ち込んでいる食料もハンパじゃないのに、さらに売り子からいろいろと買い込んでいる。そして文字どおり一日中食べている。
隣の部屋のおばちゃんなんか、スイカをまるまる持ってきて、食後に半分平らげていた。
食べることに対する情熱が、 日本人とはまじ桁違いです。
これが中国人のパワーの源?
翌日午前11時30分、香港ホンハム駅に到着。上海から、23時間30分かかった。
ホンハム駅から、歩いてゲストハウスに向かう。
ここのゲストハウスは、上海で会った日本人にお勧めされた日本人宿。
九龍のメイン通り、ネイザンロード沿いにあり、ロケーションは非常に便利。
ツインで180香港ドル(約2,700円)。やっぱ香港は物価が高い。
ところで私は日本人宿初体験だ。
どんなところだろうか、とちょっと緊張気味でインターホンを押すと、管理人さんが笑顔で迎えてくれた。
日本人宿の一番の利点は、やはり日本語でコミュニケーションがとれることだろう。ガイドブック類もたくさんあるし、情報収集もしやすい。
安全面でも、安心して滞在できる。
でも気になったのが「貼り紙」
宿には細かいルールがあって、それが部屋のいたるところに貼り付けてある。
いちいち説明できないからだと思うけど、何かしようとするたびに、貼り紙が目に入る。
トイレで紙を取ろうとすると「紙はゴミ箱に入れてください」
紙をゴミ箱に捨てようとすると「ゴミ箱は下のペダルを踏むと開きます」
靴をベッド下に入れようとするとそこにも「ここに荷物を置いてください」
部屋では煙草を吸えないのでロビーで吸っていると「煙草は少なめにお願いします」
コーヒーを飲もうとすると「食器を洗って返さない人は飲まないでください」
それだけマナーの悪い旅人が多いんでしょうけど、なんかこう、いちいち行動を先回りされて、注意されてるようでリラックスできなくて…。
上海の宿が、あまりにも自由すぎたのか、なんかちょっと息苦しいです。